ギリシャ語で「イエスはキリスト、神の子、救い主」との告白讃美に用いられる5つの語、ι(イエス)、χ(キリスト)、θ(神)、υ(子)、ς=σ(救い主 )の頭文字を並べると魚ιχθυς(イクスース)となります。ローマ帝国の迫害下にあって誕生まもない教会は魚をシンボルとすることで秘かに信仰を言い表しました。
「イエス」は人名です。
紀元前4年頃に生まれて紀元30年頃に没した一人の人の名前です。新約聖書にそのみ教えと事蹟とが伝えられています。没したと書きましたが、正確には『十字架に死んで、、』です。
「キリスト」は称号です。
ヘブル語ではメシア(油注がれた者)。特別な務めのために神によって立てられた人(王、祭司、預言者)を意味しています。
「神の子」とは属性①です。
神と特別に密接な関係にあることを言い表しています。
「救い主」とは属性②です。
私たちとの関係、つまり救いをもたらす方。あるいは救いとなってくださった方です。
使徒たち(イエスの一二弟子)の教えを冠とする使徒信条は①父なる神と②子なるキリストと③聖霊について告白讃美しています。
使徒信条は現存するものとしては最古、紀元2世紀のローマ教会の信条(ローマ信条)とほぼ同じで、紀元7世紀にヨーロッパの全教会が共通に告白する信条として公にされました。
現 在、ローマ・カトリック教会やプロテスタント諸派は当然のことですがこの使徒信条を重んじています。日本基督教団信仰告白の主文は使徒信条です。
その第二項キリスト告白が分量的に多く、明らかに関心の中心となっていることが分かります。キリスト教と呼ばれる所以がここにあります。
我はその独(ひと)り子(ご)、我らの主、イエス・キリストを信ず。主は聖霊によりてやどり、処女 (をとめ)マリヤより生れ、ポンテオ・ピラトのもとに苦しみを受け、十字架につけられ、死にて葬られ、陰府(よみ)にくだり、三日目に死人のうちよりよみがへり、天に昇(のぼ)り、全能の父なる神の右に坐(ざ)したまへり、かしこより来りて、生ける者と死ねる者とを審(さば)きたまはん。