以下に、ルカによる福音書23章32–36節(NA28)のギリシャ語本文を、一節ずつ文法解釈・逐語訳・重要語句と文体解説を添えて提示します。
ルカ 23:32
Καὶ ἕτεροι δύο κακοῦργοι ἦγοντο σὺν αὐτῷ ἀναιρεθῆναι.
文法解釈:
- Καὶ:接続詞「そして」。
- ἕτεροι δύο:「他の二人」。“ἕτερος” は「別の」。“δύο” は数詞「二」。
- κακοῦργοι:名詞・複数・主格。「犯罪人、悪人」。修飾語としてἕτεροι δύοにかかる。
- ἦγοντο:動詞・未完了過去・直説法・中受動態・三人称複数《ἄγω》。「引かれていた」。
- σὺν αὐτῷ:前置詞+代名詞「彼と一緒に」。
- ἀναιρεθῆναι:不定詞・アオリスト・受動態《ἀναιρέω》。「殺されるために」。
逐語訳:
「そして他の二人の犯罪人も、彼と共に殺されるために引かれて行った。」
解説:
- ἀναιρεθῆναι は典型的な受動態不定詞で、「取り除く」「殺す」の意味。ルカはここで「共に処刑される」ことの受動性と共犯性を強調。
- 文体的には非常に簡潔で、複数の人物が一括して「処刑の列に並んだ」ことを示す構成。
ルカ 23:33
Καὶ ὅτε ἀπῆλθον ἐπὶ τὸν καλούμενον Κρανίον τόπον, ἐκεῖ ἐσταύρωσαν αὐτὸν καὶ τοὺς κακούργους, ὃν μὲν ἐκ δεξιῶν, ὃν δὲ ἐξ ἀριστερῶν.
文法解釈: